日の本にて…  ハロー、シカゴ



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日の本へ「ことば」

 今後はなかなか帰省もできないだろうとの予測で、連休を利用して香川・大分と実家行脚の旅に出ていた。大阪から香川、香川から大分への車旅。これはそんなに大変じゃない。大分から大阪へのドライブは約11時間。渋滞にも巻き込まれ、ちょっときつかった。金の無い学生時代は高速を使わず、13時間くらい平気だったんだけどな。

   日の本へ…   その244「ことば」

 本日、2歳になった我が息子。「2歳くらいが一番可愛いよ」と以前から聞いていた。「今が一番可愛い時期ね」と散歩していても声をかけられる。「いつでも可愛いでしょう」と思っていたが、確かに今は過去最高におもしろい。毎日毎日、文字通り目に見えるように話せる言葉がどんどん増えていく。人の顔を指さしながら(彼の場合、本当に刺してくる)、「くちい」「はなあ」「めえ」「みみい」と悦に入っている。こらこら、目を突くでない。
 「おとうさん」「おかあさん」とどっちを先に言ってくれるか、奥さんと二人で暗黙のレースを繰り広げていたが、何のことはない。最初にしゃべったのは「おじいちゃん」だった。あぁ、親思いの息子。その次が「おばあちゃん」「おねえちゃん」「おにいちゃん」、一緒に暮らしてもいないのに何故?そしてやっと「かあしゃん」。肝心の父親を見ると「うあっ」としか言わない。「おとうさん」と言わせようと、何回も家族を順番に言わしてみるが、僕だけはいつも「うあっ」である。
 よくよく考えてみた。彼に指摘されて初めて気づいたが、僕の口癖が「うわっ!」なのだ。彼が走るのを見て「うわっ、速!」。彼を抱っこしてみて「うわっ、重!」。彼のオムツを換えてみて「うわっ、臭!」。彼のうんちを見て「うわっ、でか!」。「うわっ」が「うあっ」になっているようだ。息子、恐
るべし。
 ちなみに彼は「パパ」「ママ」は言える。テレビでもよく耳にするし、買い物に行っても他の子がよく「ママ!」とか叫んでいるせいであろう。ただ、僕も奥さんもそう呼ばす気は無いので、彼は「パパ」「ママ」の意味は理解していない。「パパダンプっ!」「ママダンプっ!」と訳の分からない活用
を勝手にしている。
 こんなにおもしろいなら、もう一人くらい子どもがいてもいいなと思えるから不思議だ。

 未だに何の正式決定も出ないまま、大阪の本社で毎日毎日ぼぉっとした日を過ごしているのだが(勿論、英語の勉強はしている)、一応、シカゴに赴任する可能性が高いとだけは聞いている。このまま、大阪で一年もいたら、社会復帰できないという不安も抱えつつ、来週から急にシカゴという可能性もないではない。
 日本での僕の仕事を支えてくれていたのは、圧倒的に言葉である。特にフランチャイズ・システムのザーの立場となる僕としては、顧客からのクレームに対して、ジーである契約者とその先にいる顧客との間を、言葉で切り抜けてきた。無論、真摯な態度、誠意は大切だがそれを示す意味でも言葉は重要である。(おぉ、菅原文太氏の「誠意っていったい何かね?」が急に耳に蘇る。)
 手前味噌だが、それなりの言葉を要所、適所で使ってきたつもりだ。これは敬語をきちんと使えるという意味ではない。むしろ、sense the atmosphere に近い。日本人なら日本語で書け。
 これは良くない一面なのだが、責任者が誰なのか主語がはっきりしない、肯定か否定かよくわからない、「いえいえ、私共といたしましても、全力で改善していく方向で契約者にも重々に注意していきますよう努力してまいる所存にて、上司に相談させていただきます」なんのこっちゃ。この辺り、小ずるい言語にもなりうるのが日本語なのだ。政治家の使う言葉は実に小ずるい。あんな演説は英訳できない。日本語の特性を無意識ではなく意識した上でやっているので(もしかしたら染み付いただけで無意識かもしれない
が)、ずるい。
 でも、やっぱり奥が深く、美しいのが日本語だ。ちょっとだけ英語を勉強して思うのが、全てを表現しないところが日本語の優しさなのだ。聞き手の想像する余地を残しておく。これは思いやりの表れだと思うのだが。
 日本語が使えなくなるのは、翼をもがれたような、素手で特攻せよと言われたような、とにかく不安である。しかし、自らが望んだ道でもある。息子のようにゆっくりと話せるようになればいいという訳はなく、重圧も感じるが、それもまた楽し。母国語の国語力の高さが、第二言語のレベルに強烈に関係するとも聞く。
 母国語が弱かったらどうしよ…。
 「うあっ」は頑張るよ。

                                  2007年5月7日
                                     柴 英斗
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by shibaei | 2007-05-15 13:47


シカゴ生活を経て、子育てやアニメ・特撮、海外赴任経験を語ります。
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